歯科におけるインプラントは、歯を失ったところに人工の歯の根を埋め込み、それを土台にして人工の歯を取り付けます。

入れ歯とは異なり、顎の骨に土台を埋め込むことで、天然歯に近い噛み心地を実現できます。インプラントを構成するのは、顎の骨に埋め込む「インプラント体」、インプラント体の上に取り付ける「アバットメント」、歯の機能を補う「人工歯」の3つです。

インプラント体はチタンかチタン合金製、アバットメントはチタンかチタン合金、ジルコニア、人工歯はセラミックやレジン、金合金などで、患者さまに合わせて選択します。

インプラントは、国内外のさまざまなメーカーが製造しています。その数は数百社以上といわれていますが、代表的なメーカーは次の4社です。

• ストローマン社
• ノーベルバイオケア社
• ジンマー社
• アストラティック社

いずれも信頼性が高いインプラントメーカーで、世界中の歯科医師から支持されています。信頼性が高い理由は、10以上にもわたる長期的な臨床実績によって、優れた品質と高い安全性が証明されているためです。

また、世界中で使用されているため、患者さまが転勤や引っ越しによって他の医療機関に通うことになっても、同じメーカーのインプラントを扱う歯科医院が簡単に見つかります。

他のインプラントは臨床研究が十分ではなく、安全性と品質における科学的根拠に乏しい傾向があります。このようなインプラントを顎の骨に埋め込むと、後々トラブルが起こる可能性があるでしょう。

また、インプラントを良好な状態に保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。居住地が変わったときのことを考えて、シェア率が高いインプラントを選ぶことが大切です。

インプラント治療は、数ヶ月にわたり複数回の手術が必要であったり、仮歯を入れるまでに時間がかかったりと、患者さまの負担が少なくありません。

そこで、当院では患者さまの負担をなるべく減らせるように、さまざまなインプラント治療を導入しております。患者さまの悩みに合わせて安全性が高い治療を提供いたします。

サイナスリフトは、上顎の骨が吸収されることで、上顎洞という空間までの骨の厚みが5mm以下の場合に行う治療法です。上顎洞を覆う粘膜を剥がし、持ち上げることで生じた隙間に補填剤などを埋め、新しい骨によって骨の厚みが増すのを待ちます。

ソケットリフトは、上顎洞の底部分までの骨の厚みが5～8ｍｍの場合に行う治療法です。ソケットリフターという器具で上顎洞粘膜を押し上げ、骨の厚みを確保します。

GBR法（骨再生療法）は、特殊な膜を用いて、顎の骨が不足しているところにスペースを確保し、骨の再生を促す治療法です。患者さまの状態を踏まえ、サイナスリフト、ソケットリフト、GBR法を選択します。